いま私たちは「多死社会」を生きているのをご存知ですか?
2022年の年間死者数は157万人。
この数字は過去最多であり、40年前の2.2倍です。今の日本は超少子高齢化と同時に訪れた「多死社会」なのです。
でも、都市部への人口集中、核家族化が進む現代は、死を身近に感じる体験をしたり、話したり、考えたりする機会が昔よりも減っています。
「死なない人はいない」し、「人間いつ死ぬかなんて誰にもわからない」のに、死がタブー視され、とても遠い存在になってしまっているのです。
「死というテーマ」から「いまをどう生きるか」を一緒に考えよう!
私たち一人ひとりが、死というテーマのもつ多面性に気づき、人生と地続きのものとして「自分ごと」として捉えられるようにするには、どうしたらよいでしょうか。
今までの文化や風習をどのように残し、次世代に引き継いでいくのがよいのでしょうか。
そこで、一般社団法人デスフェスは、エンドユーザーが知りたいこと、考えたいことを軸に、気軽に親しみを持って、新しく死に出会い直せるフェススタイルのイベントとして、「Deathフェス」を企画しました。
多様な立場の方にご登壇いただくトークセッションや「Deathテック」に新しい風を吹き込むプレイヤーによる対談ほか、地獄VRや入棺体験のような没入型体験・ワークショップ、「Deathスナック」をはじめとしたカジュアルな対話の場や企画展示などさまざまなコンテンツを展開します。
2024年4月に第一回目のDeathフェスを開催し、6日間で2000名以上の方にご参加いただきました。
Deathフェスで私たちが実現したいこと
9月1日の「防災の日」に防災の準備を見直すように、4月14日(よい死の日)には、生き方と終い方の両方を見直すのが当たり前になるといいなと思います。
大震災のシミュレーションは、積極的にしたいものではありません。できれば、自分は遭遇しないものとして、見て見ぬふりをしたいもの。それでも、9月1日という防災の日があるから、なんとなく備えを見直す習慣が根付いています。
「死というテーマ」に向き合うことも、最初からポジティブな習慣にはならないでしょう。
でも、自分が望む/望まないにかかわらず、誰もが、自分の備えを見直したり、家族と話したりする、そんなきっかけになるように、Deathフェスを定番イベントとして育て定着させ、国民的な常識にまで育てていきたいと考えています。そうしたら、「死というテーマ」が持つ、ポジティブでパワフルな影響力を、もっと多くの人が享受できるはずです。
そして、毎年よい死の日の前後には、Deathフェス賛同団体・事業者による「持ち寄り」スタイルのイベントが全国各地で開催され、Deathフェスのムーブメントの輪が、全国にも広がっていくといいなと考えています。
応援メッセージをいただきました!
株式会社Deportare Partners 為末大さん
プロジェクトを通じて死について考えるきっかけになればと思い、QWSチャレンジ #17に採択しました。また、センシティブな領域なので、どんな表現の仕方であれば世の中に問いを投げかけるきっかけになるかを伴走できたらと思います
ハヤカワ五味さん
死にまつわるビジネス分野は広がっていますが、その一方で早いうちから死について考える機会はまだ多くないように思います。渋谷という場所でプロジェクトが進むことに強い意義を感じるので、形になっていくことがとても楽しみです
Deathフェスのロゴの紹介
「死というテーマ」とあらたに出会い直す祭典、明るく楽しい体験と連動するようポップさをポイントにデザインしていただきました。
design by JAROS